第零章-プロローグ『英語というダンジョン』

『英語』、それは無限に広がる広大なダンジョンであり、毎年何億という人が挑戦し、挫折する。俺もそんな挫折した者の一人であった。時間がない、他にやりたいことがある、などと言い訳し、このダンジョンから逃げ出した、目を背けていた。しかし、今、俺には時間がある。そして他にやりたいことが特にない。加えて、英語というダンジョンから逃げたままでは駄目だという消極的な意志がある。リベンジマッチを挑むには十分な条件が揃っているのだ。俺は決意した、この難解なダンジョンに再度挑もうと。

なぜ俺は逃げ出したのか。何がこのダンジョンを恐ろしいものにしているのか。少し考えてみた。そこで一つの結論に辿り着いた。個々の分野の問題は沢山あるものの全体として見れば至って単純な理由がある。それは、「未知の英語という分野への恐怖」だ。どのようなものでも存在は認知できるが内容が分からないものは怖い。好奇心もあるかもしれないが怖いものは怖い。加えて英語というダンジョンは全貌を知るにはあまりにも広大だ。進めど進めど、見えてくるのは氷山の一角。怖いのは当然だ。………………………………………………………本当にそうか?世界に溢れている英語という言語は生半可な知識では全く理解できないものなのか?そんなことはない。当たり前だ。何たって英語を書いている人もまた、このダンジョンの全貌を知っているという訳ではないからだ。では恐怖は取り除けるものなのでは…?まずはそれを目標にしていこう。とは言ったものの恐怖心なんてそう簡単に取り除けるものではないのだが。

ダンジョンに入るにはまずは手続きだ。ダンジョン探索の基本中の基本。どれどれ?ええと、どんなダンジョンがあるんだ?チュートリアルとなる「英語概論の草原」、ダンジョンというよりは練習場の「基本問題道場」、初級ダンジョンからある「単語の森」、「英文法の山」、「リスニングの谷」、「リーディング洞窟」、中級ダンジョン以降の「ライティングの海」、「スピーキングの塔」などなど。これもさらに幾つかの細かいダンジョンに分かれているようだ。プレイヤー名は「英弱男」、これでいこう。一度逃げ出した者にはちょうど良い称号だ。フレンド登録?そんな者いる訳がなかろう!まだ何か下に書いてあるぞ?ギルドを開設するとお得な特典が付いています、だって?ではギルド名は「イングリッシュリベンジャーズ」でいこう。今はまだ俺一人だが、ギルドに参加する、すなわちこの文章を定期的に読んでくれる人がいるかもしれない。そんな理想のために、このギルドには誰でも入れる、そんなオープンな感じでいこう。ようやくこの広大なダンジョンに挑む準備ができた。

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